
【2026年最新】3D Gaussian Splattingの業界動向まとめ - 標準化・映画・モバイル・生成AI
glTF標準化、映画採用、モバイル対応 — 3DGSが「研究」から「インフラ」になった2026年の全体像
2025年は「本番投入元年」、2026年は「標準化の年」
3D Gaussian Splatting(3DGS)は2023年の論文発表から急速に進化を続けています。
2025年は3DGSが研究上の好奇心からプロフェッショナルが本番環境で信頼できるテクノロジーへと移行した年でした。そして2026年は、それが業界標準ツールとなる転換点を迎えています。
この記事では、2026年3月時点の最新動向をカテゴリ別に整理します。
標準化の進展
glTF への統合
2025年8月、Khronos Groupは3DGSをglTFエコシステムに追加する計画を発表しました。
2026年2月には KHR_gaussian_splatting 拡張のRC(Release Candidate)版が公開され、コミュニティからのフィードバックを募集中です。2026年第2四半期の最終承認を予定しています。
これにより、3DGSデータが従来の専用フォーマットではなく、Web標準のglTF形式で扱えるようになります。Webブラウザ、ゲームエンジン、3Dツールがネイティブに3DGSを読み込める世界が近づいています。
OpenUSD への統合
2026年3月リリースのOpenUSD v26.03では、UsdVolParticleField3DGaussianSplat スキーマが導入されました。
PixarのUSD(Universal Scene Description)は映画・VFX業界のデファクトスタンダードです。ここに3DGSが公式統合されたことは、VFXパイプラインへの本格参入を意味します。
映画・エンターテインメント
映画「Superman」での採用
映画「Superman」(2025年公開)は、動的Gaussian Splattingを本格採用した初の大作映画となりました。これにより、VFX業界での3DGSの信頼性が一気に高まりました。
ミラノ五輪での活用
2026年のミラノ冬季オリンピックでは、スキージャンプ、ホッケー、フィギュアスケートなどの競技でGaussian Splatが活用されました。ボリュメトリックキャプチャの新たなユースケースとして注目されています。
OctaneRender 2026
OTOYは2026年最初のアップデートで、OctaneRenderにGaussian Splatのフルパストレーシングを追加しました。スプラットをレンダリングパイプラインの一級市民として扱える初の商用レンダラーの一つです。
ツール・プラグイン
NanoGS(Unreal Engine 5)
VFXアーティストのTim Chen氏がリリースしたNanoGSは、UE5で大規模な3D Gaussian Splatを効率的にレンダリングする無料プラグインです。
UE5のNaniteに着想を得た設計で、数百万のスプラットを効率的にソート・描画できます。UE5ユーザーが3DGSを手軽に試せる選択肢として話題になっています。
Nuke 17.0
VFXコンポジットの業界標準ツールNukeが、バージョン17.0でネイティブの3DGS対応を追加しました。映画・CM制作のポストプロダクションワークフローに3DGSが直接統合されたことになります。
モバイル・圧縮技術
Mobile-GS(ICLR 2026)
ICLR 2026で発表されたMobile-GSは、モバイルデバイスでのリアルタイムGaussian Splattingを実現する研究です。
スマートフォンのGPUでもスムーズなレンダリングが可能になれば、不動産内覧やECの商品表示など、モバイルファーストのユースケースが一気に広がります。
SPZ圧縮フォーマット
Niantic(ポケモンGO開発元)が公開したSPZ(Splat Zip) フォーマットは、固定小数点量子化とカラムベースの組織化により、90%の圧縮率を実現しています。
3DGSの弱点だったファイルサイズ問題を大きく改善するもので、Web配信やモバイル利用のハードルを下げています。
ICLR 2026: 圧縮研究
ICLR 2026では、Long-Context Modelingを活用したFeed-Forward 3DGS圧縮手法も発表され、20倍の圧縮比を達成しています。
生成AI × 3DGS
World Labs Spark 2.0
World Labs(Fei-Fei Li氏が共同創設)は10億ドルの資金調達を発表し、Spark 2.0 Developer Previewを公開しました。
Sparkの「Marble」モデルは、画像またはテキストから完全な3D環境を生成し、Gaussian Splatとして直接エクスポートできます。独自の .rad ファイル形式を採用しています。
「撮影しなくても3Dシーンが手に入る」という、3DGSの活用範囲を根本から広げる技術です。
4D Gaussian Splatting
時間軸を追加した4D Gaussian Splattingの研究も進んでいます。
早期のユースケースでは、パフォーマンスをボリュメトリックキャプチャし、撮影後に自由な視点から再フレーミング・再ライティングすることが可能になっています。
4DViews(ボリュメトリックビデオ専門企業)は、3DGSを代替フォーマットとして追加。特に髪の毛、毛皮、反射面の表現でメッシュベースより優れた結果を得られるとしています。
不動産・実用分野
Zillow / Apartments.com
Zillowは不動産大手として初めてGaussian SplattingをSkyTours機能で導入。Apartments.comもMatterport 3D Exteriorsを通じて外観の3DGS対応を追加しました。
かつて高価な360度カメラリグが必要だった物件ツアーが、スマートフォン1台で撮影可能になっています。
ロボティクス・SLAM
SplaTAMやGS-SLAMといった研究は、3DGSをオンラインマッピング&トラッキングに適用しています。
ロボットの自律ナビゲーション、ARクラウドマップ、デジタルツインなど、リアルタイムレンダリングと密な最適化が求められる分野での活用が始まっています。
まとめ
| カテゴリ | 主なトピック |
|---|---|
| 標準化 | glTF KHR_gaussian_splatting(2026 Q2承認予定)、OpenUSD v26.03統合 |
| 映画・エンタメ | Superman採用、ミラノ五輪、OctaneRender対応 |
| ツール | NanoGS(UE5)、Nuke 17.0ネイティブ対応 |
| モバイル・圧縮 | Mobile-GS、SPZ(90%圧縮)、20倍圧縮研究 |
| 生成AI | World Labs Spark 2.0(テキスト→3DGS) |
| 4D | 時間軸対応、ボリュメトリックビデオ |
| 不動産 | Zillow、Apartments.com |
2023年の論文発表からわずか3年で、3DGSは学術論文のデモから映画のVFX、オリンピック中継、不動産プラットフォーム、モバイルアプリにまで浸透しました。
2026年後半のglTF正式承認を経て、3DGSは「使える人だけが使う技術」から「誰もが触れる標準フォーマット」へと進化していくでしょう。
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