
スマホからデスクトップのClaudeを遠隔操作!Anthropicが「Dispatch」をリサーチプレビューとして公開
外出先からスマホで指示、帰宅したら仕事が終わっている。Coworkの新しい使い方
Dispatchとは?
2026年3月、Anthropicはデスクトップエージェント「Claude Cowork」の新機能 「Dispatch」 をリサーチプレビューとして公開しました。発表はClaude Codeの生みの親であるBoris Cherny氏がThreadsで行っています。
"One persistent conversation with Claude that runs on your computer. Message it anytime from your phone. Come back to finished work." (あなたのPCで動く、Claudeとの永続的な会話。スマホからいつでもメッセージを送り、完了した仕事を受け取る)
一言で言えば、デスクトップPCで動いているClaude Coworkのセッションを、スマホから遠隔操作できる機能です。
たとえば、こんな使い方ができます。
- 外出前にデスクトップのCoworkを起動しておく → 移動中にスマホからレポート作成を指示 → 帰宅したら完成済み
- ローカルのExcelファイルやPDFを使った分析をスマホから依頼
- デスクトップに設定済みのプラグインやコネクターを活用したタスクをリモートで実行
Claude Code「Remote Control」との違い
2026年2月に公開されたClaude Codeの 「Remote Control」 と混同しやすいので、違いを整理します。
| 項目 | Dispatch(Cowork) | Remote Control(Claude Code) | |------|-------------------|-------------------------------| | 対象ユーザー | ナレッジワーカー全般 | 開発者 | | 操作対象 | Coworkデスクトップエージェント | Claude Codeターミナルセッション | | 実行場所 | ローカルマシン(サンドボックス) | ローカルマシン(ターミナル) | | 接続方法 | QRコードペアリング | QRコードペアリング | | ファイルアクセス | ローカルファイル全般 | プロジェクトファイル | | プラグイン | Coworkコネクター対応 | MCPサーバー対応 | | 公開時期 | 2026年3月 | 2026年2月 |
Dispatchは非コーディング用途のデスクトップ自動化、Remote Controlはコーディング用途。どちらもローカル実行を維持し、QRコードでスマホとペアリングする設計は共通です。
セットアップ方法
必要な環境
| 項目 | 要件 | |------|------| | デスクトップ | Claude Desktopアプリ最新版(macOS / Windows x64) | | モバイル | Claudeモバイルアプリ最新版(iOS / Android) | | プラン | Maxプラン($100〜$200/月) | | Windows | Pro / Enterprise / Education エディション(HomeはHyper-V非対応のため不可) |
※Proプラン($20/月)への対応も間もなくロールアウト予定です。
セットアップ手順
1. Claude Desktopアプリを最新版に更新
デスクトップアプリを起動し、アップデートを適用します。
2. Coworkを開き、Dispatchを有効化
Coworkの左サイドパネルに新たに表示される「Dispatch」をクリックします。
3. オプションを設定
- Claudeにローカルファイルへのアクセスを許可
- コンピューターのスリープ防止設定
4. QRコードをスマホでスキャン
画面に表示されるQRコードをスマホのカメラで読み取ります。
5. モバイルアプリで確認
Claudeモバイルアプリのサイドバーに「Dispatch」の項目が表示されます。タップすれば、デスクトップのCoworkセッションにアクセスできます。
使い方のイメージ
ペアリングが完了したら、スマホからタスクを指示するだけです。
Claudeはデスクトップ上のファイル、ブラウザ、プラグイン、コネクターを活用してタスクを実行し、完了したら結果(スプレッドシート、メモ、比較表など)をスマホに送信します。途中経過のアップデートも受け取れます。
会話は永続的に保持されるため、前回の文脈を引き継いだ追加指示も可能です。
セキュリティ設計
Dispatchのセキュリティ設計は、ローカル実行を徹底する方針です。
サンドボックス実行
ClaudeはOSレベルのプリミティブ(ファイルシステム・ネットワーク隔離)を使ったサンドボックス内で実行されます。
ファイルはローカルに保持
ファイルの内容は外部サーバーにアップロードされず、モデルのトレーニングにも使用されません。Claude APIに送信されるのは会話のコンテキストのみです。
ユーザー承認が必要
Claudeがアクセスするリソースは、事前にユーザーの承認が必要です。勝手にファイルを操作したり、意図しない接続を行うことはありません。
ファイルシステム制限
- 現在の作業ディレクトリとサブディレクトリへの読み書きアクセス
- 広範なファイルシステムへの読み取りアクセス(一部ディレクトリは拒否)
ネットワークフィルタリング
プロセスが接続できるドメインを制限します。
注意すべき制限
- Coworkのアクティビティは監査ログ、Compliance API、データエクスポートに記録されない
- 規制対象のワークロードには不向き
- 一部のケースでドメインフロンティングによるネットワークフィルタリングの回避が可能
- プロンプトインジェクションの課題はすべてのAIモデルに共通
現時点での制限事項
リサーチプレビュー段階のため、いくつかの制限があります。
- デスクトップが起動必須:PCがスリープすると、Dispatchも停止する
- 動作速度:タスクの実行に時間がかかるケースがある
- 安定性:レビューによると「試みたことの半分程度が成功する」段階
- Windows Home非対応:Hyper-Vが必要なため、Pro / Enterprise / Educationエディションが必須
- Windows arm64非対応:現時点ではx64のみ
MacStoriesのハンズオンレビューでは、まだ荒削りな部分が多いと報告されています。今後のアップデートで改善が期待されます。
想定されるユースケース
| シーン | 具体例 | |--------|--------| | 外出先からのレポート作成 | 社内ダッシュボードのデータからレポートを生成 | | リサーチの自動化 | ローカルのPDFや資料を元に情報を整理・要約 | | ファイル整理 | デスクトップのファイルを分類・リネーム | | 旅行の準備 | フライトの座席検索や比較表の作成 | | ドキュメント作成 | スプレッドシート、メモ、比較表の作成 |
まとめ
Dispatchは、 「デスクトップのAIエージェントをスマホから遠隔操作する」 という新しい体験を提供する機能です。
| 項目 | 内容 | |------|------| | 提供元 | Anthropic | | 対象 | Claude Cowork(デスクトップエージェント) | | 接続方法 | QRコードでスマホとペアリング | | 実行場所 | ローカルマシン(サンドボックス内) | | 対応プラン | Max($100〜$200/月)、Pro(近日対応) | | ステータス | リサーチプレビュー |
2月のClaude Code Remote Controlに続き、今度はCoworkでもモバイルからの遠隔操作が可能になりました。 「PCの前にいなくてもAIに仕事を任せられる」 という方向性が、Anthropicの開発戦略として明確になりつつあります。
リサーチプレビューのため安定性には課題が残りますが、ローカル実行×モバイル操作という組み合わせは、今後のAIエージェント活用の標準的なスタイルになっていく可能性があります。
参考リンク:
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