
テックニュース速報 2026年2月17日:富士通AIが開発生産性100倍、Claude Opus 4.6でSaaS株崩壊
富士通が3人月の開発を4時間に短縮するAI開発基盤を運用開始。一方、Claude Opus 4.6の登場でSaaS企業の株価が$2850億暴落。2026年2月第3週のテック業界で起きていることをまとめます。
今週のテックニュース概要
2026年2月第3週、テック業界では大きな動きが相次いでいます。特にAIによるソフトウェア開発の自動化と、それが既存SaaS企業にもたらす衝撃が大きなテーマになっています。
富士通:AIドリブン開発基盤で生産性100倍
3人月 → 4時間
本日2月17日、富士通は自社開発の大規模言語モデル**「Takane」を活用したAIドリブン開発基盤**の運用開始を発表しました。
この基盤の特徴は、ソフトウェア開発の全工程をAIエージェントが協調して実行すること。
要件定義 → 設計 → 実装 → 結合テスト
↑ ↑
└── すべてAIエージェントが自動化 ──┘
実証実験では、従来3人月かかっていた法改正に伴うソフトウェア改修が4時間に短縮されました。生産性100倍です。
適用範囲
富士通Japan株式会社が提供する医療・行政分野の全67業務ソフトウェアへの適用を2026年度中に目指しています。2026年1月からは2026年診療報酬改定に伴う改修で適用を開始済み。
さらに金融・製造・流通・公共分野への拡大と、外部企業へのサービス提供も予定されています。
何がすごいのか
単なる「AIがコードを書く」ではありません。複数のAIエージェントが変化し続ける複雑な大規模システムを理解し、要件定義から結合テストまで人が介在せずに自動化するという点が革新的です。
これは先日の記事で紹介したClaude Codeやdevinとは違う、エンタープライズ規模のAI開発自動化の実例です。
Claude Opus 4.6が引き起こした「SaaSpocalypse」
$2,850億の暴落
2月5日にAnthropicがClaude Opus 4.6をリリースして以降、ソフトウェア・SaaS株が大暴落しています。
- Salesforce:年初来 -25%
- SAP:-18%
- Intuit:-32%
- Thomson Reuters:-30%
Nasdaqは4月以来最悪の2日間連続下落を記録。SaaS株の合計時価総額の減少は**$2,850億(約42兆円)に達し、メディアでは「SaaSpocalypse(SaaSの黙示録)」**と呼ばれています。
なぜここまで売られたのか
Opus 4.6の新機能が市場を恐怖に陥れました。
- コンテキスト100万トークン:200Kから5倍に拡大
- AIエージェントチーム:複数のAIエージェントが協調して複雑なプロジェクトを遂行
- 金融分析特化:スクリーニング、デューデリジェンス、市場インテリジェンスで既存ツールを凌駕
- 法務分析:契約書レビュー、判例調査を自動化
投資家の論理はシンプルです。「AIが法務・財務・営業支援をこのレベルでできるなら、Salesforce、Intuit、Thomson Reutersにいくら払い続ける必要がある?」
「Vibe Working」時代の到来
CNBCはこれを**「Vibe Working」**と名付けました。「Vibe Coding」がプログラミングをAIに委ねたように、オフィスワーク全般をAIエージェントに委ねる時代が来たという意味です。
HBMメモリ不足:消費者に「AI税」
AIが半導体を食い尽くす
AI加速器が**高帯域幅メモリ(HBM)**を大量消費している影響で、通常のDRAMの供給がタイトになっています。
結果として:
- PC用メモリの価格が上昇
- スマートフォンの部品コストが増加
- 先進パッケージング設備がAI向けに優先配分
消費者の目に見えない形で**「AI税」**がPC・スマホの価格に転嫁されつつあります。NVIDIAとFoxconnが大規模AIファクトリーの建設を発表しており、この傾向は当面続きそうです。
MiniMax M2.5:中国AIスタートアップの攻勢
中国のスタートアップMiniMaxが新型言語モデルM2.5とM2.5 Lightningをリリースしました。
特徴は最先端に近い性能をフラクションのコストで提供すること。DeepSeekに続く中国勢のコスト破壊戦略です。
これにより、AI推論コストの価格競争がさらに加速しています。BaseTen、DeepInfra、Together AIなどの推論プロバイダーはNVIDIA Blackwell GPUとオープンソースモデルの組み合わせでコスト最大10分の1を実現しています。
セキュリティ関連
今週の主なインシデント
| インシデント | 影響 | |-------------|------| | Canada Gooseデータ漏洩 | 約60万人の顧客情報 | | 北朝鮮の偽面接攻撃 | JS/Python開発者を標的にマルウェア配布 | | Xの大規模障害 | 長時間のサービスダウン | | OpenClaw 13.5万台露出 | APIキー・チャット履歴が公開状態 |
特に北朝鮮の偽面接攻撃は、開発者が面接課題と思ってダウンロードしたコードにマルウェアが仕込まれているという手口。JavaScript・Python開発者は注意してください。
Microsoft:超伝導パワーケーブルをデータセンターに
Microsoftが高温超伝導パワーケーブルのデータセンター導入を検討しています。
従来の銅線と比べて、同じ電力をはるかに細いケーブルで供給できるため、物理的なスペースの大幅な削減が可能に。AI時代の電力需要増大に対するインフラ側のアプローチです。
Google Play 開発者サービスアップデート
GoogleがGoogle Play開発者サービスv26.06をリリース。
- ダウンロードファイルの自動バックアップ機能追加
- 地震アラート表示の改善
- その他安定性の向上
まとめ:AIが既存産業を書き換え始めた
今週のニュースを一言でまとめるなら、**「AIが既存のソフトウェアビジネスを本気で脅かし始めた」**です。
- 富士通:3人月→4時間、エンタープライズ開発の自動化が現実に
- Anthropic:Claude Opus 4.6がSaaS株$2,850億暴落のトリガーに
- メモリ市場:AIの需要が消費者に「AI税」として転嫁
- 中国AI:MiniMax M2.5でコスト破壊が加速
2025年は「AIすごい」の年でした。2026年は「AIが仕事を奪い始めた」の年になりつつあります。
特にソフトウェア開発とSaaS業界は、AIの影響を最も直接的に受けるセクターです。開発者として、この変化の波に乗る側でいたいものです。



